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2014年9月

2014年9月29日 (月)

The 5th International Urban Sketching Symposiumに参加して来ました−8

Paratyを去る朝、やはり早朝スケッチに出かけた。ホテル前の公園から見えるホテルの景色。すっかり大好きになった街、Paraty。

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ここのホテルではいつも8時半から朝食を出してくれていたけれど、この日の朝はその時間にはチェックアウトしてバス停に向かう予定だったので、前日にホテルのマネージャーさんに、明日朝早くチェックアウトするので、朝食をとらない代わりに、できたら少しパンを持って行ける様にしてほしいと頼んでおいた。(私が紙に英語でこのメッセージを書いて見せ、それを読んだ彼がパソコンにポルトガル語で返事を入力し、それをgoogleで翻訳して英語変換したのもを読ませてくれて、コミュニケーションするといったやり取りをした)スケッチを済ませ、ホテルに戻り、チェックアウトを済ました時には、袋にサンドイッチ、ヨーグルト、シリアル、チーズ等たっぷり用意してくれていた。なんて親切!それでも食べて行けば良いのに、と朝食を勧めてくれたので、なら、コーヒーだけ飲んで行くといって、待っていると、他に欲しい物はないかといわれたので、なら、オレンジをちょうだいといってみたら、また別の袋にたっぷり(8つかそこら)オレンジを用意してくれた。なんだか親戚のお家に泊まった時みたいな、民宿みたいな暖かさのある所だった。
そしてSάo Pauloで同じホテルに泊まる予定のNinaとバス停に向かい、そこで数名のSyimposium参加者で、やはり一緒のバスに乗る人たちと合流した。
今回の旅行はこうした旅仲間に巡り会えて、とても快適に不安なく移動ができてとても良かった。危険な目や、煩わしさ、旅行プランの急な変更などしないで済んだ。
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バスは快適。バスの中で朝、昼と、ホテルで用意してもらったサンドイッチ等を食べ、(結局夜もそれで足りて)食費がかからない一日になった。
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バス内では窓から見える景色を眺めて過ごす脇で、Ninaはスケッチしていたので、彼女のペン画の描き方、いかに通り過ぎて行く景色を描写し、丁寧に仕上げ、1ページに配置して一枚の美しいレイアウトされた作品にまでもっていくのかを見せてもらう事が出来、これも大変刺激になった。
約6時間でSάo Pauloに着き、そこから電車でホテルをめざした。この街で働いていると言うCinthiaも一緒について来てくれ、ホテルにたどり着けた。
Sάo Pauloの街は高層ビルがそびえ、電車に人がすし詰めに乗ってくる所も、東京や他の都会の街と似ていた。
後になって、コーヒーを飲みにNinaとStarbucksにでかけた。その店内もオシャレな若者で賑わっていた。メニューもさほど変わらないなか、特徴的なのが、Brazilではよく食べたもちもちとした食感のチーズ味のパンが置かれていたこと。(Pāo de queijoというらしい 
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次の日バスに同乗してた他の人たち数名とも午前中に再会する事にして、この日は
食事に出かけずに終えた。
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スッキリシンプルでこぎれいなホテル。(ちなみに、ギリシャやドバイもそうだったけれど、ブラジルもトイレットペーパーは備え付けのゴミ箱に入れ、トイレで流してはいけない。詰まっちゃうので。)

2014年9月28日 (日)

The 5th International Urban Sketching Symposiumに参加して来ました−7

この日も早朝スケッチに出かけ、昨日描きかけていたCasa da Culturaからの景色を仕上げた。

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ホテルに戻り、朝食を摂った。
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このホテルの一階スペースは夜はレストランとバーになっていて、いつも気になっていたのに、夜23時を過ぎて戻ると閉まっているので、ホテル内に戻るのに合鍵でドアを開けて戻らなくてはならなかったので、この日こそはぜひここのBarで飲んでやるぞと心に決めた。そして午前中のworkshopを受けにまたCasa da Culturaに向かった。この日はNorberto Dorantesの:Line Flow/Live Spotと題されたWorkshop Iをとった。
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彼の作品も大好きで、昨年のBarcelonaのsymposiumでは会う事は出来ても彼のクラスをとる事は出来なかったので、今回とても楽しみにしていた。
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また、このクラスには前日のデモで知り合えたCarlosも参加していて、この後、昼食を一緒でき、次の日に向かうSάo Pauloのことについても色々と話を聞かせてもらえた。
さて、このworkshopでは、まず最初に一つの対象物をペンで描くのに、ペン先を紙からはなさず、繋がった一本の線で描けというものだった。暗い部分は、ハッチングを使わずに、ジグザグと繋がった一本の線の行きつ戻りつする事で表現する事。これを行ったとき、自分がいつもより対象物を丁寧に観察出来ている事に気づいた。いつもなら、全体の比率、プロポーションに先に気を使い、大きく捉えてから、細部を描き加える方法をとっているし、その方が失敗がないのは解った上で、しかし、この一本線画法の場合、プロポーションの狂いはあっても、つなげて描く事で、ついちょっと前に描いた部分の距離感が手に残っているまま次のパートへと移行するので、ペン先を離して毎度新しい線で描く時と何かリズムも変わり、線の暴れを抑え、よりコントロールして描くように自分を律しているようだ。
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次に、前景にあるオブジェクトを描いた後、その物体から繋がって見える背景をその物体から繋がっている部分から描くというドリルを行った。
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さらに、このレッスンで、物そのものから隣り合ったその向こうに見える空間にある形を順に追いかけて行くので、いわゆるネガティブスペースと、手前の物体との関係に目を凝らしてみるようになり、なおかつ繋がった線が、全体に描くスピードと線の統一感も与えている事に気づいた。そして、あるUrban Sketchersのペンでスケッチする人たちの作品がある独特なタッチの描き方をされていて、実はこの方法を取り入れている部分があるからだとも気づいた。
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講評会の様子。
さらに、今度はこの一本線画法の線画に、少なめの色数で、着彩して仕上げると言う課題が出された。
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描いたのがこれ。いつもの自分の作品には無かった新しい表情が生まれ、とても気に入った。
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盛り上がる講評会の様子。参加者の多くが色々な国からきているので、英語で会話する中、互いにうまい表現が見つからないとき、あ、こう言いたいんでしょみたいな助け合いがあったり、言葉がそんなに出来なくても劣等感を感じないで済むのは、こういう多国籍の集まりの良さ。
午後は、kiah Kieanのdemo D4:Black and White Paratyを前半の一時間のみ見学した。
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スライドでの紹介。
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実際の作品やスケッチの画材(chinese inkと削った小枝)の紹介。
この後、実際にその道具を使って外でスケッチをするという参加型デモだったけれど後半は私のデモの時間とかぶっていたのでここで私は抜けた。
私の2度目のdemoでまた参加者とChafariz Squareに移動。
今回は、一回り小さめのスケッチブックを使用。解説よりも仕上げの完成度を重視して、ちょっと話を少なめにしてみた。羽織は暑くなったのと、実用的でなかったので、この日は着るのをやめた。
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広場では、屋外のテーブルで4人の男性達がチェスかなにかしていたので、彼らを含めての公園の一角を描写した。座っていた白い椅子は水彩だけで描くときはかなりトリッキーだけれど、あまり現実の固有色に捕われずに、しかし印象はあまり大きく変わらない程度に明度に気を配って、特に光が何処に強くあたっていて、何処がこの絵のなかで一番明るいのか(この場合は人物の後ろの白壁にした)等を解説しながら仕上げた。この4人が描いている間、ずっとそこにいてくれて良かった。
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写真はCanadaのMarc Holmes の奥様に撮ってもらった。(彼はWorkshop L: Tea, Milk and Honeyのインストラクターで、今回も彼のworkshopをとれなかったのは残念)左端の通行人の様子と微妙な顔の表情の変化に注目。実は前日よりもこの日の方がちょっと緊張した。というのも前日の反省も含め、自分で自分にさらなる完成度upを課してハードルを上げていたのと、Marc、パリのMartine、ワシントンのJoel、そしてCarlosも来てくれていたので (^0^)v
その後はOpen Sketchwalkの時間。16:30から18:00までMatriz Squareに繰り出した大勢のスケッチャーが一斉にスケッチしている中、そこでナポリのSimoに会い、2人で川縁まで出かけ、少し静かな場所でsilent auction のためにスケッチした。
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この絵はUrban Sketchersの団体に寄付し、この後のclosing party 中にsilent auctionにかけられ、売り上げは次回のSymposium 等の活動のための資金にされる。(嬉しい事に、この絵の持ち主になってくれたのは、一緒に船でクルージングに行ったMariliaだった。)わずかでも、企画、運営、すべてがボランティアでなされるこのイベントがさらに続く手助けになったら嬉しいとおもう。
closing partyではスープやおつまみ、お菓子、ドリンク類が振る舞われ、立食でしばし歓談したものの、symposiumも今夜でおしまいだというアナウンスを聞くまでのあと30分を立って待っていられず、近場にいた知り合い数名に先に帰ると告げ、hotelに一足早く戻った。(その前に一件、アイスクリーム屋さんに寄って、ジェラートを食べたっけ)
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ホテルのバーで飲み納めのcaipirinha。バーテンダーは(チリだったか)別の南米の国から、世界を見たくて来たと、住み込みでこのホテルで働いていると言っていた。まだカクテルの作り方を習ったばかりの様で、パッションフルーツを二つ割りにしようとナイフを刺したら思い切り中身がブシュッとつぶれて果汁が吹き出したので、それを見て笑ってしまった。ナイフの先を見ながら変だなという顔した彼に先輩の従業員が来て、水平に切ろうとしないで、始めは刃先を上から差し込んで、刺さったら切り開くんだと教えていた。それから、ここでは日本酒を使ったカクテルもあるんだと教わった。それで、それなら即興で、日本酒と地元のCachaçaをミックスしてパッションフルーツ味のカクテルを作れないかと聞いてみたら、作ってくれた。
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こんなのは作った事ないよと言われ(そりゃそうだろうね)ならば、新メニューに加えてもいいよ、Crazy Japaneseとでも名付けて、と応えた。外ではこの日からマリアさまを祝うお祭りが始まり、広場には多くの屋台が出ていて夜中の一時まで音楽が聞こえ、ちょっと覗きに行って見たい気持ちもあったけれど、次の日も朝早くチェックアウトして、Sάo Pauloに向かうんだから、無理するのはやめて休まなきゃ、と自分に言い聞かせ、部屋に戻った。(しかしこの夜もなかなか眠れず)

2014年9月24日 (水)

The 5th International Urban Sketching Symposiumに参加して来ました−6

この日も早朝スケッチしに朝食前にCasa da Cultura前に行って、カラーペンで団扇にスケッチを描き始めたけれど、時間が足らず、途中で一旦ホテルに戻った。そして朝食を摂った。

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この日の午前中はworkshopをとらず、自由参加できるsketch walkに参加することにした。そこで、demo D4 を担当するマレーシアから来ていたKiah Kieanに会い、彼のChinese ink と小枝で出来たペンを使って描く様子を側で見せてもらう事が出来、また、そこで彼の使っている道具を貸してもらい、描いてみたりできた。シンガポールのTiaやリオ出身のThais、ベルギーのGérard の甥のFabienに会え、彼らの作品もゆっくりと見せてもらえた。また、地元の人とも話せたり、のんびりと過ごせた。
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Kiah Kieanのすばらしいパノラマ。
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TiaとThais
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この時に描いた団扇絵。
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スケッチしてる私の姿をスケッチしてくれたFabien の作品。
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これはKiah Kieanに借りたペンとインクを使って、彼をスケッチ。
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お昼は熱々のチョコレートチュロをいただいた。
午後は、サンパウロ出身のCarlos Avelinoのdemo D1: watercolor demoに参加した。
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素晴らしい色使い!道具も丁寧に説明してくれながらのデモを1時間見る事が出来すっかりファンになりましたよ。この時の参加者が私以外(多分)ブラジルの人だった中、そのデモの参加者のBiという若い女性が時々私のためにポルトガル語から英語に通訳をしてくれたので、より楽しめた。彼女はこの後すぐ私のデモの時間にも来てくれ、そこでも英語からポルトガル語への通訳をしてくれたのでとても助かった。
この後、一旦Casa da Culturaに戻り、私のデモのD2: Sketching straight to watercolorに参加する人が集まるのを待ち、その後Chafariz Squareに移動。
このデモは下描きをせず、直接水彩で初めから終わりまで仕上げて行く画法を紹介実演するもので、時折必要かと思える時に説明を加えつつ、とにかく時間内にスケッチ画を仕上げることに意識して、どうにか初めてのデモを終えた。
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かなり大勢の参加者の人が来てくれ、緊張しつつも楽しめた時間。
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その時の様子をBéliza Mendesが、スケッチしてくれていた。これもとても雰囲気が出ていて、その場の臨場感があり、思い出深い。私はこの日祖母のものだった羽織を着て行った。(和ものをどこかに取り入れようと思ったので)Bélizaがサムライみたいだったよと言ってくれたのがちょっと嬉し可笑しいかった。
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これがその時に描いたスケッチ。もう少し描き込みしたかった所だったけれど、おおよその手順等の説明を重視したため、またスケッチブックをよく見えるように大きめの物を使ったのもありこの日はこれが精一杯。
この後、夕方から夜にかけて、Activity A6: Unfolding a sketching storyと題された、Richard Almarのアクティビティに参加した。
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Richard Almarのアクティビティでは、Paratyで一番にぎやかな通りを、その始めの地点に立ち、そこから見える限りの場所までの景観のサムネイル画を描き、さらに通りを一本の縦線で表した後に、通りを歩いて行きながら必要と思われる情報を描き加えていき、自作の地図を作るという、トラベルスケッチの一つを紹介する物で、とても役に立つ方法だった。このやり方でまだ土地勘のない、訪れたばかりの街/道を記録していっていれば、もっと早くその街を理解出来たり、方向感覚が養われたかもしれないと思った。特に夜、普通にスケッチ出来ない間にこういったことをしておくのは良いアイディアだと。
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その日の夜は泊まっているホテルのすぐ側のレストランでまた数名と集まって飲食。
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スープと(バドワイザー)とCaipirinha.

2014年9月18日 (木)

The 5th International Urban Sketching Symposiumに参加して来ました−5

いよいよこの日からSymposiumのworkshop, sketch walk, demo, lecture など3日にわたるスケッチずくめの3日が始まった。時差ぼけと不眠症で、夜にcaipirinhaを飲んで速攻で眠りについても夜中1時、2時には目が覚め、そのまま7時頃まで寝れない。6時半頃からか、様々な鳥の声が一斉に聞こえ始め、豊かな自然のすぐ側にいるんだなと感じる。そのまま起床。こんな状態が続き常に寝不足の毎日なのは、symposiumに参加する度、毎度の事でいた仕方なく、それでも限りある時間を有効に使いたいので7時から8時までの一時間またdemoの練習がてら早朝スケッチしに出かけた。

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Chafariz Squareという小さな広場が翌日と翌々日に私がdemoする指定場所だったので、そこに行って見てどんな場所で、そこの何処を描こうか、確認するつもりで行って見たものの、結局とにかく一時間内で行って、描いて、戻るというだけで精一杯で、あまり考える余裕はなかった。(なので、当日はその日の気分や、のりでポイントを見つけて描いてしまえ、と割り切った)
ホテルに戻り朝食を摂る。
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毎日たっぷりのフルーツの盛り合わせと、食べきれない量の色々な種類のパンやハム、チーズ、ヨーグルト、絞り立てのオレンジジュース、コーヒーをたっぷりといただけたのでとても満足。
9時、Casa da Culturaへ。この日の午前中はIranから来たインストラクターのBehzad Bagheriの The joy of the movementと題されたworkshop Aをとった。
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あいにくその日の午前中は途中で雨になったのだけど、近くに大きなテントが建てられていたため、その中に退避しつつworkshopが行われた。彼の最初の課題は、鉛筆で無目的に、何かを描くのでなく、ただ鉛筆の線や動きを楽しむ様にかいてみるという、スケッチとは真逆の練習から始まり、次に三原色で、また何かを見て描くのではなく無目的に紙に色の流れやにじみや偶然の形を楽しみながら描くと言うものだった。煩悩で満たされている頭に、すっかり無になれというのは座禅のように日常にしない事だったので、とまどうこともあったけれど、とにかくやってみる。そして、それが出来た所で、自分の描いた物と別の誰かのと交換し合い、相手の描いた偶然の形からイメージし、描き足し、一枚の絵に仕上げると言う課題が出された。私は昨年のBarcelonaのsymposiumでも出会っていたJoelと交換し合い、彼の模様から描き起こしたのが街を破壊しているゴジラもどきの図(左)で、彼は私の偶然の模様を鳥(右)と象達の図へと描き起こして行った。この時点では、まだどうスケッチと結びつくのか解らなかったけれど、何かいつもと違う頭の使い方をしながら描き進めて行くんだというわくわくするような期待感が起きた。
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次の課題が、別の3色を使い、これまた何かを見た物を描くのではなく紙に形をまず描けという。そして、それが出来た所で、景色を見回しその形や色と合う場所を見つけ、その最初の色や形を生かしながら、景色を描き起こして行くというものだった。これはとても斬新で新しい技法で頭の使い方だった。
きっと彼はこういったプロセスで、かっちりと見たままの景色を書き写すのではなく水彩絵の具の流れやハーモニーの美しさをより引き出したタッチのスケッチ画を描きやすく教えようとしたのだと理解する。できたのがこれら。
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こちらが彼の作画の様子と作品。
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彼の絵はずっと好きで、今回直接会え、その筆さばきを見れたり、考え方に少し触れられたのはとても嬉しい。
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悔しい事に、午前のWorkshopが終わった所で晴れて来た。
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参加者数名のグループで昼食を摂りに、イタリアンレストランに入った。
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おかしい事に、入ったレストランではなかなか注文したパスタが出てこず、午後のworkshopのクラスの時間に間に合わなくなりそうだったので、(私含め3名が)急遽持ち帰り用のパックに入れてもらう事にして、それを携え、次の合衆国から来たSuhita Shirodkar のworkshop O:Never fear the people! を受けに行った。
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まず、広場でたたずんでいたり、座っている人を捉える練習を20分位した後、通りを歩く人を線で捉えられるだけ描いてみると言う練習を25分くらい続けた。その間、先ほどの店から一緒にパスタを持ってきて、同じこのクラスに参加していたGenineと、この場所の近くにある別のレストランで事情を話し、フォークだけを借りて、通りでいそいで食べる事にした。おっかけで描いた練習の行き交う人物。
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そしてさらに人物を捉えつつ、合間に抜けに見える背景のディテールを描き込んで行きながら、活気ある街の様子を水彩で仕上げた。
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この一枚はなるだけSuhitaの作画タッチにも似せて描いてみた。
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こちらはいつもの自分のやり方とタッチで描いたもの。
このトレーニングで、ペンで描く勢いある無駄のない線画のこつと背景対人物のスケッチ時の時間配分、プロセスのやりくりがすこし楽になった気がした。彼女のスケッチ画はいつも勢いと臨場感ある人の大勢いる空間の絵が多いので、とてもその作画プロセスに興味があったので、こちらも大変有意義な回だった。
その日の夜はまたなんとなく集まっていたグループに紛れ込んで、少し旧市街から離れた、地元の人が行くレストランで、ビュッフェスタイルで、皿に盛った料理の目方で料金が決まる所に行った。
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これは海辺の街特有な料理だと後でBrazilのArtistに聞いた。
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その日の夕飯仲間。

2014年9月15日 (月)

The 5th International Urban Sketching Symposiumに参加して来ました−4

Symposium 初日のこの日は夕方からのcheck in とwelcome receptionのみだったので、それまでの時間は自由時間だったので、何処かを描きに行って、demo の練習でもしようと考えていたけれど、hotelを出た所で数名のスケッチャー達が集まって海へ向かっていたので、何処に行くのか尋ねたら、これから船に乗ってクルージングするというのでならばとついて行く事にした。今回の旅で本当に思う事は、色々な場面で多くのスケッチャーと交流出来た事。すんなりグループに紛れ込んで、食事に行ったり出来た。おおらかな土地の雰囲気のおかげもあったかもしれない。スケッチャー同士という安心感、family的一体感が知らない同士でも打ち解けさせた。グループの誰かが船着き場の船長と、人数がこの程度いるから3時間のクルーズで、一人当たりいくら支払えば良いか等、交渉してくれた。

カラフルな船が並ぶ港。

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港のワンコもフレンドリー。後ろに見える船に乗船。

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若くてかっこ良くて親切な船長さん。

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船の上で早速スケッチ会。

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いくつかのビーチを巡り...。

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Dock

船を停泊させた所から、水着を着ていた人たちは船から泳いで島/ビーチに渡ったので、絵の中の左端の人物はこの時いなくなり、その時点でこのスケッチ画は終了。

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水着を着ていなかった私は船長さんに小さなボートで連れて行ってもらったので、服を濡らさずに島に到着(^0^)

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Captain

このビーチでも人なつこいワンコ達がお出迎え。

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おもしろい鳥達...

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地ビール...

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船と船長さん。しばらく背中でポーズしてくれていました。

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曇りで、日射しが強くなかったのでひどく日焼けもせず、気持ちいいクルージングのスケッチ会でした。

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クルージングから戻ると、道路は満ち潮のため海水で満ち、もう少し陽がさしていたなら写り込みがさらに美しく見えたでしょう、この土地ならではのある瞬間の光景。

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海から遠ざかるともう、海水は届かず地面は乾いていました。

receptionの前に、まだ時間があったので、前日Robertoから聞いた川沿いの景色を描きに行って見ました。

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橋の上からの景色。

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川の対岸にカラフルなホテルらしき建物があり、demoで与えられる時間とおなじく一時間で

描いてみる事に。

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たっぷり描くだけに一時間を使ってしまったけれど、demoなら集合場所からの移動、説明、作画、さらに帰りの移動の時間も含めての一時間になるので、もっと早描きしなければいけないと理解する。

そして、その後welcome receptionの会場のCasa de Culturaに行き、最初にworkshopやdemo、lecture等担当するインストラクターとオーガナイザーのみのミーティングがあり、その後参加者、インストラクター、オーガナイザー、スポンサーその他みんなが集合し、3日間のSymposiumを共に過ごす物同士、顔合わせしました。

その日の夜はシンガポールのTiaとご主人、マレーシアのKiah Kiean、ルクセンブルクのBéliza、パリのDelphine、シアトルのStephanieのグループと食事を一緒させてもらった。鶏肉、牛肉、魚のプレートをどーんと出され、それをシェア。それからこの日から毎晩いただいたCaipirinha.

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2014年9月14日 (日)

The 5th International Urban Sketching Symposiumに参加して来ました−3

Rio de Janeiroのバス停までどうやってたどり着いたか、今となっては記憶に残っていない!バスのチケットもNinaにあらかじめ予約しておいてもらったので気持ちがすっかり安心していた。(それと、寝不足で頭が回っていなかった)バス停留所でsymposiumに参加する仲間と合流。Symposium committee の一員でこのイベントを開催するのに奮闘して来たドミニカから来たOrling, Urban Sketchersのcorrespondentでスウェーデンから来たNina,ドイツから来たMiliam,リオデジャネイロ出身のKarinaとNathaliaと私の6名が合流。飛行機の乗り継ぎに加え、Paratyまでの6時間のバスの旅が今回のsymposiumの特殊性を感じさせるものだった。参加者は目的地にたどり着くまで直行ではなく、どこかしらで一泊してからさらに長時間の移動が入るという試練を経る。それもまた絆を強くする物でした。

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RioからParatyへ、Costa Verde社のバスは快適でした。
Inside_costa_verde_to_paraty
今回、100円ショップで買った団扇をいくつか持って行き、つるつるの紙にはカラーペンでスケッチしてみる事にした。バスの車内。くねくねと山道を向かう中、線がへろへろになってしまうのを出来る限りコントロールしつつ、過ごしました。
そしてParatyに到着!!!!!
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それぞれがホテルに荷物を置いてから、また集まろうと言う事で一旦解散したものの、そこは河原の石のようなでこぼこでごつごつの石が敷き詰められている道路で、スーツケースを転がして歩くことが出来ないという難関が待っていた。特に大きなスーツケースを持って来ていたMiliamが、無理だから、タクシーに乗らないかと提案してきたので、乗った。ああよかった。(その提案が無かったら、きっとホテルに到着するだけでその日一日分の体力を奪われていたかもしれない。)
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Paraty_road2
Paraty_road3
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かわいくて、シンプルな建物と石が敷き詰められた道。
後になって知った事だけれど、この道の真ん中が窪んでいるのは、満ち潮になると海から海水が道に満ちて、その後引き潮で道の汚れを洗い流していくので、水路/下水の役割があるのだとか。300年前、ポルトガル人がこの地で金の採掘のため建てた街だったとか。その時代のエコなテクノロジー、自然の摂理を利用した街のシステムが現代にそのまま保存され、そのままの姿の生活を続けている所がすばらしい。
しかしその反面、歩く時は慎重に常に下を向いて足場を確保しながら移動するため、なかなか道順というか、位置関係が頭に入らなかった。
街には車が入ってこないため、犬達が放し飼い(というか、街犬)で、事故に遭う事もないし、人懐っこく、よく慣れていてかわいがられている事が良く判った。
Brazilの人たちは(出会った限りでは)なんだか日本人に似ているなと思った。親切でおだやかで、少しシャイ(英語が出来なくてごめんなさいと、しょっちゅう謝られた。そう言う態度も日本人と共通する感じ。)
私が泊まったホテルはとても趣があり、とても気に入った!!
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(ベッドにいっぱいピローがあっても使いようが解らず、外して寝た。しかも、ダブルベッドの半分で足りるから半分で寝起きする貧乏性な自分。)
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Orling以外はみんなでまた集まり、昼食をとった時のスケッチ。Parisから来たMartineが合流。
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しばし街を散策後、ホテルに戻り、夕飯時に再び出かけるまでしばし休憩。
夕飯時、さらに多くのスケッチャー達と合流。symposium前に集まりだしたスケッチブックを持つ仲間がそこかしこにいるので、初めての土地でも、言葉が通じなくてもなんだか安心出来る。
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街で出会った、アルゼンチンから、Paratyに移り住んだという画家のRoberto。彼から川縁から見える景色が綺麗だと聞かされ、後日行ってスケッチしました。
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夕飯時のスケッチ。
夜、部屋に戻ると壁にかわいいゲコがいて、こちらの様子を伺っているよう。きっとこの部屋の本当の主なんじゃないかと思った。その日から毎日ゲコちゃんが、いなくなっては現れた。常に道路に面した壁の上部に現れ、きっとエアコンのつなぎ目から外と行き来してたのかもしれない。このかわいい友人と過ごせたのも楽しい想い出。
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2014年9月13日 (土)

The 5th International Urban Sketching Symposiumに参加して来ました−2

Rio de janeiroに到着したのが午後2時半過ぎ。入国審査、手荷物受け取り後、3時をまわっていよいよホテルに向かうため、空港内にあるタクシー会社のカウンターへ向かった。(流しのタクシーより、目的地に応じた料金前払い制のシステムのこっちの方が安全とガイドブックにもあったので)空港から遠い、浜辺の側のホテルを予約していたので日本円でほぼ6000円程度の料金を先に支払った。カウンターでは若くてハンサムで英語のできる男性が側に付き添い、その後タクシーのトランクまでスーツケースを運んでくれた。この人はドライバーではなかった。そして、トランクにスーツケースを入れてくれて、私がタクシーに乗り込んだ所で、チップに20レアルくれと言い出した。(日本円でほぼ1000円)おい、スーツケースをちょっとばかり運んだだけじゃん、それで20レアルのチップだと?

何言ってるんだよと言い返してみたが、扉を閉めたくてもそいつがチップを受け取らないと閉めさせないんじゃないか、右も左も良く判らない時差ぼけの一人旅の日本人は、その場を丸く納めるためチップを渡した。もしや渡さなければ悪の仲間にタクシーを追いかけさせてでもとりにくるぞなんてこともあるかも?なんて空想しながら、最初の何でもあるだろうと思っていた出来事の一つ、洗礼を受けた。これはチップなのか、しかし強盗よりは品がいい。何か、保険と言うか、お守りと言うか、入場券の代金と言うか、その後の安全な旅を約束するプライスだったと思う事にした。ドライバーは英語が出来ず、言ったホテルの位置がイマイチ解ってなかったようで、少し周辺をぐるぐると回らなければならなかったけれど、遠回りした所で定額だから、料金が上がる心配もないのでそれはそれでよし、車から景色をより長く見れたと前向きに捉えた。持ってたホテルの予約の書類に住所と地図があったのでそれをドライバーに確認してもらい到着できた。ホテルに着くとUrban Sketchers の創始者で、友人のGabi Campanario(そのホテルにその日まで宿泊していた)がロビーにいて、挨拶を交わした。(彼はその後すぐSão Paoloに向かった。)やっとSymposiumの現場に近づいたんだという安心感が出た。部屋に到着。どっと疲れを感じ、これはスケッチに出かけるだけの体力がないと判断。その日の夕飯を一緒できたらとネットで話をしていたRioに住むスケッチャーに疲れで食事に出かけられないとメッセージを送り、さらに次の日に一緒にバスでParatyへ向かう予定のスケッチャー達に無事到着した旨を報告。(social medeaはなんと有り難い事)ほぼ二日ぶりにシャワーを浴び、Rio対応の短パン、アロハ、ビーチサンダル姿となり、しばしRioモードになってるふりをしてみる。(しかし頭はまだぐるぐるしていて寝不足で目もピントが合わない感じ)夜になってスェーデンから来ていて一緒にバスに乗るNinaが、少し外に出て散歩したり、翌日の朝食や飲み物を買いに行かないかと誘ってくれたので、行く事にした。心地よい風と浜辺の音を聞きながら夜のRioが私にとっての思い出の最初のBrazil体験になった。日本でブームになっているアサイーもここに来てはじめて食べてみた。なんだか不思議な味。ホテルに戻り、屋上から見える夜景を眺め、昼間とは別世界のファベーラの明かりがその貧民街とかけはなれてまるでクリスマスのライトアップの様に見えているのをまた不思議な気持ちで撮ってみた。

Rio_night_view_from_the_hotel_2

起伏にとんだ不思議な地形のRioの本当に上っ面だけ一瞬見てもう翌日は早朝チェックアウトしてParatyに向かった。(なので、そこのホテルの売りであった朝食のbuféは食わずじまい...)
朝、Ninaがチェックアウトしている間にホテルのロビーをスケッチ。Rioでのスケッチはこれだけでした。
Atlantis_copacabana_hotels_lobby

2014年9月10日 (水)

The 5th International Urban Sketching Symposiumに参加して来ました−1

昨年に続き、Urban Sketchers 主催のイベント、Urban Sketching Symposium が、今年はBrazil のParatyで8月27日から30日まで開催され、初めての南米渡航してきました。

今年は21の国(地域)の参加者が集まったそうです。
今回は、Registration passが必要な ワークショップ以外に、デモンストレーションやスケッチクロール等、気軽に参加出来るSketching passやThe Activity pass等、参加したい人の予算や目的に応じて参加出来る項目も増え、より現地ブラジルの人の参加がしやすくなったプログラムをそろえており、そのなかで、私は今回初めてデモンストレーションで、水彩直書きスケッチを披露するDemo D2を担当しました。
ワールドカップの報道等でしか現地の様子が解らないブラジルへ、さあ、何が起こるかと希望と不安も入り交じった興奮状態で、とにかく早めに成田には行っておこうとフライト7時間も前に着いてしまったので、成田スケッチで肩ならし。
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Dubai経由でEmirates航空でまずは10時間のフライト。
待ち時間の3時間半後、Rio de Janeiroまでは14時間。
待ち時間のドバイでスケッチ。
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着陸直前、15分スケッチ。羽の真横の席でした。
The_view_from_the_airplane

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